華氏911

ボク的にはかなり好きな映画です。
マイケル・ムーア監督の「ボウリング・フォー・コロンバイン」を観ている人にとっては分かりやすい映画だと思います。
アメリカでは、「恐怖」が巧みに操作されて、現在の社会が成り立っている。
「恐怖」が利用されて、何の因果関係もないままにイラクアルカイダを無理やり結びつけることが許されてしまう。イラクを攻撃する理由など何もなかったのに。

映画を観ながら、アメリカ本土にいるアメリカ人は世界で何が起こっているのかを全く何も知らないのではないか、と。自分が無知であることを知らない人々。何が起こっているのか知っているのは議員だったり、軍需産業関係者(いわゆる「死の商人」)だったり。
だから彼らは自分の家族を戦地に送ろうとはしない。

アメリカ人は、戦争で負傷した軍人がどんな姿をしているのか知っているのか?
イラクで負傷したイラク人の姿、あるいは亡くなった人の姿、その遺族がどうなっているのか知っているのか?

映画を観ながら、3年前の9.11を思い出しました。
ピースボートのクルーズで出港して3日目。まだ地球一周の旅が始まったばかりで、あのときの混乱。
アメリカ人の友人は、短波ラジオを片手にデッキに駆け上がり、何が起こったのか、家族の身に何も起こっていないことを確認するために必死でした。
ニューヨークに友人のいる女の子は泣いてしまっていたり。

9.11がボクに与えた影響は計り知れません。